フィクサー 【Michael Clayton】

マイケル・クライトンかと思ったら綴りが全然違うのね。最近亡くなった作家のほうはMichael Crichtonなのね。


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冒頭にこの映画のクライマックス近くの主人公の様子が流れる。当然意味は不明だけど、なんとなく雰囲気のようなものは感じられる。頭にサビの部分を持ってくる歌のよう。ただ長すぎる気がする。15分もある。1時間50分のうちの15分。


で、車がどかん!といったあと、なんじゃこりゃ?やっぱりようわからんわ、と思っていると、映画は“4日前”という字幕が表示され、ちゃんと4日前に遡る。そこからはちゃんと時間軸にそって話が進み、冒頭のシーンに多少の解説用アングルというかネタばれ視点のシーンが少しずつ追加されて、映画の終盤にどかん!に追いつく。そしてクライマックスに。


これはまぁ良くあるパターンだし、製薬会社じゃないか、巨大化学企業の陰謀というのもよくある話。で、よかったと思うんだけど、主役のクレイトンの家族関係とか経済状況とか細かすぎる。経済状況はあれくらいでもいい。クレイトンの選択という意味ではちゃんと筋に絡んでくるし。家族関係もあったほうがいいか。追い詰められた中年っぽさを出すには。ただやっぱ細かい。


あと、キーマンである企業側のやり手の弁護士の設定が突飛すぎる。躁鬱病ということだけど、精神分裂病っぽい。薬飲めば大丈夫というけど、無理があり過ぎる。弁護士があっさり企業側に致命的なリークをしてしまうと終わってしまうとは言っても、もうちょっと実際にありそうな条件を考えるべきだと思った。原告側の農民もあんなめんどくさい設定しなくてもいいのに。


唯一ほーと思ったのは、自殺に見せかけた暗殺の手際。あれはちょっと怖かった。JFKとか見ると、結構いい加減な計画、というか杜撰な計画でも通ってしまっているので、この映画のように大胆にやられても分からないんだろうなと。


あれができるのになぜ、どかん!なのだとも思ったけど。


もう少しでとても面白くなりそう。ちょっと惜しい。