アンダーグラウンド 【UNDERGROUND/Подземље】 怒涛のイメージ

『謎の読書会』を名に持つ方にお借りしたこれを見た。


アンダーグラウンド [DVD]

アンダーグラウンド [DVD]




実家にいたころに、たしかNHKかどこかでやったのをVHSで撮って何度も見ていたけど、DVDがもう絶版になっていて今回久しぶりに見た。



これについて何か言おうと思ったら、もう何回か見て時間掛けて考えないといけないというのはビシビシ感じるわけですが、わたくしはもちろんそんなことはしません。もうテキトーに書きます。いつも通り。

つい最近みた同じクストリッツアの『ウェディング・ベルを鳴らせ!』の自由すぎる作り方に比べて、ずいぶん映画らしい枠に収まってたのかなと。最初に見たときは激しい音楽もあって圧倒されていたんだけど、やっぱりあの頃のクストリッツアはキチキチッと映画を作っていたのだなとわかった。


いわゆる巨匠というのかな、偉大な映画監督は後になればなるほどわけのわかんない映画を作るようになるけど、クストリッツアも同じなのかな。宮崎駿も私的には『ラピュタ』が最高傑作だし。どんどんわけのわからなさ具合が進んでる。黒澤明もそうだし、フェリーニさんもあっちへ逝ってしまわれた。イメージの凄さと映画としての凄さは別なんだろうという刷り込みを得たので、最近ではわけがわからなくてもいいんですけど。でもやっぱり映画の枠に収まってる方が好き。


でも映画の枠っていっても、ストーリーじゃないのね。『アンダーグラウンド』のストーリーってあるといえばあるけど、無いようなもんだし。何を持って“映画”と規定しているのか自分でも分かってない。そのヘンを少し詰めてみるのも面白そうだけど…やらねぇだろうな。

映画自体は変わったけど動物好きは変わってない。クストリッツアに比べるとジョン・ウーの「白い鳩」はショボクテ恥ずかしいね。イメージの豊かさと映画に出てくる動物の種類・数は比例してるのかもしれん(サンプル数2)。

やっぱりこの映画は凄い。冒頭のバンドから最後の河に至るまで、監督の脳内イメージをどどどーっと並べられただけで圧倒される。たぶんクストリッツアはもうこんな映画は撮れない。さらに自由度が高くなって発散ギリギリまで迫った映画を越えた映画も見てみたいけど、死ぬまでにもう一度この『アンダーグラウンド』のような映画も見てみたいもんだ。あの衝撃をもっかい感じてみたい。初見でしか味わえないものもあるもんね。


この映画のDVDがもう絶版というのが我慢できない。問い合わせたらもう版権が切れているらしいので、出してくれといってもすぐには出ないらしい。悔しいなぁ。影響力のありそうな空中キャンプ(id:zoot32)さんあたりが吠えてくれないかなー。