ウォッチメン 【WATCHMEN】

これを見てきた。


『ウォッチメン』(音が出ます)


これは面白かった。『300』よりいい。


変態Dr.マンハッタン以外の自称ヒーローは運動・格闘能力にはすぐれてはいるものの、普通の人間たちで、こいつらが各自かってに自警活動をしていたところこれを規制する法律が制定されたために引退を余儀なくされてから数年後の話。もともと自警なんてほとんど違法なのだから続けたってよさそうなのに、と思っていたら一人だけいた。それはロールシャッハ。コメディアンはケネディを暗殺してたりしたけどCIAだかなにかで政府の後ろ盾があるので違う。しかしあの顔はロバート・ダウニー・Jrだと思ってたけど違ったなぁ。


この映画で一番キャラが立ってたのがこのロールシャッハで、ほとんど病気だと思われるほど筋を通したがる。これは最後の最後まで変わらない。意地の張り方が尋常ではない。多分主役は彼だ。少なくとも私にとっては彼が主役だった。


そうそう、一番キャラが立っていたのはロールシャッハじゃないな。Dr,マンハッタンだった。もう見た目から変態。全身青く、放っておくとすっぽんぽんでちんちんぶらぶらでそのヘンをうろついていたりする。本人はもうほとんど人間ではなくなっているので、そんなことは気にしないのだった。それにほとんどなんでもできる。巨大化もするし分裂もするしあらゆる物質を分解したり再構成したりテレポーテーションもできる。で、このDr.マンハッタンがベトナム戦争へ行き、笠をかぶったベトコンどもを掌をかざすだけで彼らの肉体をことごとくミンチにしていったためにアメリカはベトナム戦争に勝っていることになっている。最後にはアメリカ軍ではなく、彼にたいしてひれ伏し降参してたりする。巨大な青いハゲ(このときはいちおうパンツをつけてた)が田圃の向こうから現われてベトコンを次々に破壊していく様子には鳥肌がたった。


お話自体はふーん、そう来るのね、と言った感じ。特に意外ではなかったけれど、いやいやDr.マンハッタンはもっとアレですよ、オジマンディアスより上手だろ?と思った。そのうちに時間も自由に行き来できるようになって、たとえ数万発の核兵器が大陸間を行きかうことになったとしても爆発を防ぐことが出来るようになると思う。あいつ変態だもん。


この映画でもう一つ面白いのは、ベトナム戦争で勝ったということからも分かるように、実際の歴史とは違う世界が描かれているところで、でもそこではよく見た顔がちらほら出てきたりする。これが結構似てたりして面白い。あと音楽。古い曲がガンガン掛かってるのもおっさんほいほいとして結構有効。レナード・コーエンが掛かったシーンでは吹いてしまった。2曲は使われてたな。あのおっさんの歌を聞くとどうしても吹いてしまう。ビル・ナイが出てきても笑ってしまう。なんか笑いのツボなの、この二人。


でもロールシャッハ(ロールシャックって言ってるのね)がいちばん!


そうそう。ロールシャッハとナイトオウルⅡ世はかつてコンビを組んでいたんだけども、ナイトオウルは見た目がまんまバットマンで、ロールシャッハは顔がない代わりに声がバットマンだった。二人あわせてダークナイト