これを読んだ。


カンディード 他五篇 (岩波文庫)

カンディード 他五篇 (岩波文庫)




といってもこの中の『カンディードまたは最善説』だけ。


これは面白い。ちょっとSFっぽい『失われた世界』のような所も楽しかった。筒井康隆以上にあからさまに作品中で論敵を罵っている(らしい)ところもニヤニヤ。もちろん注釈ないとダメなんですけど。


大蟻食先生はこのカンディードの文体というのか語り口が「ちょっと凄い」といったような言い方をされていましたが(だから読んだのだ)、うん、凄い面白い。ぶっ飛ばし加減が半端なく。


けれども読んでいて思い出したの大蟻食作品ではなくてアルマジロ先生の小説だった。なんだろ。『イラハイ』とか?


淡々と語られる内容が凄まじく卑怯だったり凄まじくおぞましかったりするんだけど、語っている本人の感情はほとんど単語としては出てこない。なんだろう、これは。凄いんだけど。


最後がクストリッツァの『アンダーグラウンド』のハピーエンド版みたいな感じで助かった。