チェンジリング 【Changeling】

映画の日、ということでこれを見てきた。


『チェンジリング』(音が出ます)


チラシ・ポスターに映画館での予告編を見た感じではいまいちな予感がしていたので、本当はビデオで見るつもりだった。映画の日って素晴らしい…


2時間22分という長めの映画だったけれど、気にならなかった。アンジェリーナ・ジョリーってどうかなぁと思っていたけれど、それも気にならなかった。


これはいい映画。予想していたよりもずっとたくさんの要素を詰め込んであって、しかも無理がなく、長くともだれることがなかった。普通なら山場を越えたと思ったあとは、見ていてなんとなく落ち着きが悪くなるところがうまく緊張感が持続した。編集?脚本?なにが効いているのかわからないけれど、うまいと思った。あと、1930年前後のロサンゼルスの様子も面白い。しかし『LAコンフィデンシャル』以上に腐っているLAPDって、しかも実話って、アメリカの警察は恐ろしいな。まあ今でもこんなことが起こるくらいだから本当っぽいけど。





唯一残念なのは、殺されるべき人間がひとりを除いてすべて生き残っている点。この前見た『ディファイアンス』とは正反対だった。ま、実話をそのまま映画(主役はもちろん悪役も実名らしいし、何より冒頭にTrue storyと出るし。based onが付いてない)にしたらしいのでしょうがないけれど、ハリー!マグナムで撃ち殺してよ!とか、ララそこは殴ってよ!とかいろいろ頭をヨギッタ。あの、明らかに不合理で不条理な追い詰められ方は誰だって経験あると思うけど、忘れちゃうんだろうか。ムカツク!


音楽がいいなと感じたけれど、ピアノの音だしひょっとしてーとエンドクレジットをみたら音楽もクリント爺だった。町山さんがいうには、クリント爺の次の作品である『グラン・トリノ』はこの『チェンジリング』よりずっといいらしい。恐るべし、クリント・イーストウッド。ここまで外さない、しかもコンスタントに撮っている監督って珍しい。長生きしろよな。