007 慰めの報酬 【Quantum of Solace】

これを見た。


007/ 慰めの報酬(音が出ます)


前作『007 カジノ・ロワイヤル』と同様に、冒頭からガツンとやられた。質は今回のほうが数段上か。質が数段上というのはこのシークエンスに限ったことではなく、映画全体としても言える。『カジノ・ロワイヤル』も面白かったけれど、微妙なところも何箇所かあった。今作は多少強引なところはあるけれども、それも映画的にしょうがないかなというくらいで我慢できる。あと、CM、トレーラーで使われていたところは特に見せ場と言うわけでなく、つまりネタばれではなかったのもとてもよかった。トレーラー部分が実は全力で、実際の映画はカス、ってのもおおいのにね。


しかし、撃たれても撃たれても驚異的な防弾で走り続けてきたこれまでのボンドカーと違い、ダニエル・ボンドではちゃんとガラスは割れるしドアも吹き飛ぶという具合だし、面白い秘密兵器、というか小道具もでてこない。アクションシーンは真正面からどすこい!といった感じで、これではピアース・ブロスナンのボンドが阿呆みたいに見えてしまって可哀そうになってくる(とはいえ、従来の007らしい映像もちゃんとあって、ああ007だなぁと)。


今回のダニエル・ボンドのアクションはジェイソン・ボーンのアクション(特に『ボーン・アルティメイタム』)と酷似していた。人が死ぬ、その瞬間の描写までそっくり。ボンドの顔にはほとんどいつも怪我による出血があるところもジェイソン・ボーンのよう。さすがに後からつくられただけあって、建物から建物へとどんどん飛び移るパルクールもこちらのほうが迫力があった。軽さがないのでどしんと体がぶつかって痛そうなところもいい。


しかし、陸海空とそろったアクションは大三元だったな。白と發が暗刻で中が泣き、くらいの。復讐心と戦っている最中にも次から次へと新しいプレッシャーが圧し掛かってくるあたりは、見ているこっちのお腹にもどしんと来ました。素晴らしく面白う御座いました。


22:47追記:この映画のセカンドユニットの監督、アクションシーン担当がDan Bradleyと言う人で、彼は

He has worked on Spider-Man 2, Spider-Man 3, The Bourne Supremacy, The Bourne Ultimatum, Superman Returns, Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull

(強調は私)



ということなので、似ていて当然なのだった。ふう。この人のアクション格好いいかも。しかし凄いキャリアだなー。