ブラインドネス 【Blindness】

これを見た。


映画 『ブラインドネス』 公式サイト


伊勢谷友介木村佳乃が夫婦役で出ていた。というか伊勢谷がすべての元凶だった。今まで見た伊勢谷の中では一番ましだった。


赤信号で停車中に急に眼が見えなくなった伊勢谷から映画がはじまる。見えないといっても失明ではなく、視界じゅうに白があふれて見えなくなったという。そしてその伊勢谷にかかわった人間が次々と同じ症状で眼が見えなくなる。感染症らしい。


政府はすばやく隔離する方針を固め軍隊を用いて患者を強制的に隔離する。逃げようとするものは射殺される。隔離場所は元精神科病棟の建物。


いくら感染症とはいえ世話する人間をつけずに急に盲目になった人だけを詰め込むというのはどうなんだろうかと思ったが、しょうがない。一応防護服を着ているけれどそれでも怖いらしい。実際感染は止まらなかったのだし。


で、ある日突然盲目になった人たちだけの集団でいろいろと事件が起こる。


シャマランの『ハプニング』とゾンビ映画と『28日後』と『es』を混ぜたような映画。食糧を独占しておいて、理不尽な要求をしておきながら、怒った相手に銃を突きつけて、「ありがとうと言え」という場面は、単純な暴力の描写ではなく、『es』であったような心理的な、何と言えばいいのかな、服従のメカニズムを見せられているような、そんな。


しかし、これらのなかで一番出来がいいと思われる。特にこれといって褒めるところが見当たらないんだけども、これが一番いい。なんだろう。


あんまりドラマがないから?愁嘆場というほどのものがなかったからかも。淡々としてた。ただ、独りだけ見えるままだった人間が、もう少し頭を使っていれば余計な不幸は起こらなかっただろうになと思った。


全身そばかすだらけのジュリアン・ムーアは、なにかの病気かと思ったけどそうでもなかったらしい。素でああいう女優さんなのだった。むう。


ブラインドネス』という映画。皮肉だなぁ。『デフ』という音楽。『死』という人生…