モディリアーニ 真実の愛 【Modigliani】
深夜TVでやってたのでこれを見た。
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2006/01/07
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つ・う・か、原題のどこに“真実の愛”とか恥ずかしいこと書いてあんねん。もう、ほんま、ええかげんに、せいよ、おっさん。『愛は霧のかなたに』とか訳したやつ、お前が悪い。切腹を申しつける。さっさとしんでしまえぃ。
で、この映画ですが、なかなか面白く見ることができました。
えーっとパブロ・ピカソってあんなおっさんだったとは全く知らなかった。なんというの?どことなく村上隆をイメージしました。生きているうちにたかくひょうかされるというのはすばらしいことだとおもいました。
まぁ実物を覚えてる人もまだまだたくさんいるだろうから、そうそう無茶な作り方はしてないと思うけど、結構強力なキャラクターだった。役者もよかったのかも。なんだか『ノーカントリー』の殺し屋アントン・シガーをお笑いにしたようなキャラ。演じたのはオミッド・ジャリリという役者で、やっぱり、というかコメディの人だった。で、この人が出ている映画は『チャンピオン 明日へのタイトルマッチ』というこれまたちょっと恥ずかしいタイトルの映画以外、全部見ていたことに気づいたけど、全く覚えていない。すげぇ(自分がすごいのか?)。
で、そのピカソ様に金魚のフンのようにしてちょろちょろくっついて歩いているのがジャン・コクトーというおっさんで、なんだ、あれはただのタイコモチ(なぜか変換できないの。幇間)じゃぁないか。これまでは偉そうなおっさんだとしか思ってなかった。なさけなーい感じのしょぼくれたおっさんだった。
で、モディリアーニとつるんで悪さしていた飲んだくれで時々母親によって精神病院に強制入院させられているらしいキモはげがユトリロだった。泣けた。病院つってもあれはなんだ、拘束着を着せられて独房の天井の四隅から鎖でつながれているので、ほとんどレクター博士くらいの扱いだ。博士にあんなことしたら脱獄した暁には関係者みんな殺されちゃうよ?くらいのひどい扱いなのだった。見た目もなさけなーいハゲオヤジだし、これまで自分でもよくわからないままユトリロの絵に目が行ってしまっていた理由がわかった気がした。南無。
で、神様として登場したくたばり損ないのよぼよぼ爺さんがピエール=オーギュスト・ルノワール。神様は田舎で広大な敷地をもつ大邸宅に住んでいて、それなのにこのよぼよぼ、「なに、ここはわしの描いた小さな絵2枚分程度ぢゃ」みたいにぬかしよる。庭に置いたロダンもデッサン一枚とかなんとか。くそ爺、俺にも絵をくれ。
などと、なかなか面白かったんだけどそれも前半まで。後半から終盤はもう見てられん。これ本当なんだろうか?と思うほどモディリアーニと妻が馬鹿。すんごい馬鹿なことやって、当然のように窮地に追い込まれていく(というか頭から突っ込んでいきながら、涙してるの。死ねよ!と思ったら死んだ)。そんなものに大仰な音楽かぶせたって間抜け具合が際立つばかり。嘘でもいいからもうちょっとマシな展開にしないと駄目だわ。というか、つまらんストーリーなんてやらずに当時のパリというかモンマルトル界隈をまんま見せてくれるほうが面白いわ。だいたい“ムッシュー”と“マダム”と“マエストロ”だけフランス語であとは全部英語って、いくらなんでもアホすぎるだろヤンキーめ。
アブサンは飲んでみたいと思いました。だれか飲ませてください。よろしくお願い申し上げます。