インクレディブル・ハルク 【THE INCREDIBLE HULK】

今日は映画の日。千円だわ。


ということでこれを見てきた。当然ネタばれあるよ。


インクレディブル・ハルク


暗い役が多いエドワード・ノートンだしちょっと身構えていたんだけど、いやぁ、まさかコメディだとは思ってなかった。[『キングコング』+『GODZILLA』+『ハート・ブルー』+{(『ボーン・アルティメイタム』+『攻殻機動隊』)÷2}]÷3.9、みたいな感じだった。ワロタ。


冒頭、何かの実験中にハルクになってしまい研究所の所員や見学していた軍人たち(恋人のベティやその父親のロス将軍も)を吹き飛ばし結果追われる身になってブラジルにまで逃げてきたというブルース・バナーの過去が、ハルクに変身している間の記憶は断片的にしか記憶していない、という理由だからかダダダダーッと短いショットや静止画を繋いだシーンであっという間に説明してしまう。


その次にブルースが今潜んでいるブラジルの街が写しだされる。その街の異様さにしびれた。大きな山の斜面一面に小さな箱型の家がぶわーーーっと並んでいて、それを裾のあたりから山頂へ向って空撮で見せる。どう見てもスラムなんだけど、一種の美しささえ感じる。一つの山すべてで巨大な九龍城を形成しているような感じ(ただし平屋)で、スケールが大きいのでここ以上に、どんな過去をもった人間でも身を隠すことができる場所はないんじゃないのかと思えるほど。あそこの街だけで一本映画とってもいいくらい魅力的だった(住みたくないけど)。こんなの→FAVELA そういや『マイ・ボディーガード』でも小さいのあったな。ニューヨークの空撮も当然対比するように撮られていてそれなりに綺麗だったけどあの蒸し暑そうなスラムはすごい。


で、ほんの小さな出来事から居場所がばれて再び追われるようになったブルースは、なんとアメリカに戻ってしまうんだけど、それなりに理由はあったのでこれはいい。その後がなぁ。


ロス将軍(初め彼がウイリアム・ハートだと気付かなかったよ)指揮のもとブルースを追い詰める兵士の一人がロシア生まれの英国軍兵士ブロンスキーを演じているのがティム・ロスなんだけど、最強と呼ばれているにも関わらずどう見てもやせっぽちで頼りない。アメリカ人はロシア生まれの人だとどんなに変な設定でもなんとなく納得してしまうんだろうか。確かに狂気じみた戦闘好きで、銃がまったく効かないというのが分かっていながらハルクを追いかける。


エドワード・ノートンティム・ロスもひょろひょろなので向い合せにさせるには丁度よかったのかもしれないけど、この二人よりベティ(リヴ・タイラー)のほうが体格いいんだもん。なんじゃそりゃと。それにしてもリヴちゃんは赤ちゃん産んでからさらにおっぱいが大きくなってしまったようだ。残念だ。さようならリブちゃんノシ


おっと、話がそれた。そもそもハルクが生まれたのはバイオテクノロジカルに強化されたスーパーソルジャーを作り出すプロジェクトのうちの一つの基礎実験だったということだけど、それなら強化型ブロンスキーで十分達成されているのに、なぜあそこまでハルクにこだわったんだろうか。だってすごい身体能力+回復能力だもん。ハルクvs強化型ブロンスキーのアクションが一番面白かったのに短くって悲しい。プロレスなんていらんもん。それもCGの。CGは悪くなかった。肌の質感がすごい気持ち悪いけど。


変なところ。変身すると体重が増えるのね。増えなかったらハルクはスポンジのような体ってことになるから仕方ないけどさ。あと、CIAよりもすごいシステムで居所を見つけたにも関わらず中和実験をする時間的猶予を与えた点(スラム急襲は素早かったのに)。もっと変なのがダイヴ。脚本書いたエドワード自身おかしいことは十分わかっているらしく結局ギャグにしてしまったんだけど、もうちょっと他になんとかならなかったのかな。ま、ギャグで笑ったけどさ。


『ハルク』の最後のシーン(映画の最後のシーンではない)を見ると続編ありそうなんですが、期待していいんだろうか。前作よりは面白いと思ったけど。


町山さんの言うように今自前で資金調達(それも莫大な資金)できるのはマーベルだけらしいけど、確かにそいつを見せつけられました。調子のりすぎだぞ、マーベル!


そうそう。『ハプニング』で、シャマランが電車乗ってたと思っていたけど実は声だけだったらしい。やっぱ自分でも分かってたんじゃないのかなぁ、出来が悪いってこと。だから顔を出したくなかったとか。それはそれとして、この映画では気が付きましたよちゃんと。なんか異様に腕がふっとい警備だな、と思って顔を見たら見覚えがあって吹いた。思っていたより若々しいけどステロイドとかやってんじゃないだろうなぁ、TV版ハルク。