サン・ジャックへの道 【Saint-Jacques... La Mecque】

これを見た。


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いやぁ。いい。


どうやらお金持ちらしいおばあちゃんが亡くなったようで、彼女の2人の息子と1人の娘のもとに遺言についての手紙が届く。出かけてみると170万ユーロの遺産がほしければ3人そろってフランスのル・ピュイからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラという聖地へ巡礼に行けという内容。その距離1500キロメートル。歩けと。


長兄は大きな会社の社長なのでお金には不自由していないが、遺言だというので、くそ母ちゃんめ、と罵りながらも参加する。アル中でいつも死にたがっている嫁から離れたいというのも理由の一つかもしれない。妹は高校教師をしているけど子供が二人いるうえ夫は失業中ということで参加。末の息子は見た目にも汚らしい長期失業者でとっくに離婚して別居した娘にたかったりしながらいつも酒びたりなので当然金目当てで参加。しかしこの三人とても仲が悪い。特に長兄と妹。


このツアーはこの三人だけじゃなくて、女子高生二人組とそのうちの一人に惚れている同級生のアラブ人の男子高校生が自分の従兄弟をだまして(俺たちメッカへ行くんだぜ!字が読めるようになってお前の母ちゃん喜ばしてやれよ)費用を出させ参加、どうもガンを患ったことがある女性の合計八人にツアーガイドを含めた九人のグループ。


ま、そういうのはどうでもいい。この巡礼の道が素晴らしく美しい。異常に綺麗。もうどこをとってもPCの壁紙になるよという感じで、この映画はそれを見せるために撮ったんじゃないかと思うほど。思うほどってか絶対そうだわ、これ。なので特に音を出さないまま再生していてもいい気がする。


お話といえば、結局はハッピーエンドなんだけども、やっぱりこれはヨーロッパの映画だなぁとしみじみ。どう考えてもヤンキーじゃない。なんでだろうかと、少し考えた。たぶん階級の存在が登場人物のなんてことのないしぐさや言動にビシビシ感じられるところに原因があるんじゃなかろうかと思った。もう、なんていったらいいかよくわからんけど、すごいいやな感じがする。その点ヤンキーはいい。分かりやすい。アラブ人は宿泊お断りというスペインの神父とかもヨーロッパ的なお話。なんというか移民やその子孫どうするよって話はこれからが本番かもしれん。あとはガンの女性が、末の息子とくっつくかと思いきやガイドの男性がくっつくところとかもアメリカじゃないわ。


あとはね、途中に参加者たちの夢が挿入されるんだけども、あんま必要ない気がした。確かに美しい景色だけだとどうかなぁと思うけど、そして夢のシーンも結構力入れて撮られているんだけど、いらんかなぁ。


ともかく、景色はすばらしい。あれだけで見る価値はありました。あと、サンチアゴとコンポステーラという『グアルディア』で出てきた単語の元ネタがわかったしな。


にしても、字幕じゃサンチアゴなのになんでタイトルはサン・ジャックなんだろう。どっちかに統一すればいいのに。