主人公は僕だった 【Stranger Than Fiction】
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- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2007/12/19
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む。この映画の主役=小説の主役ハロルド・クリックを演じたのはウィル・フェレル。『奥さまは魔女』で旦那さまの役をやってたけどあんま好きじゃなかった。なんというかね、見た目がやだった。
そのやだった見た目が今回はぴったり役にあっていた。地味で冴えない国税庁の役人。ずーっとひとり。朝起きて歯を磨く回数から出勤のバス停までの歩数、階段の回数、いろいろな数を数えるのが癖。あと暗算が得意なのでオフィスを歩くと同僚から検算を頼まれる。特徴といえばそんくらい。
それがある朝歯を磨いていると女性の声で自分の行動を描写するナレーションが聞こえ始める。盗聴?おれ気狂いになった?とうろたえ、精神科医にあったりするけれどナレーションの声は一向に収まらない。内容からしてどうも小説らしいというので小説の専門家に聞けと勧められたので街の大学の先生を訪ねると意外とすんなり受け入れてくれる。この教授がダスティン・ホフマン。これがなかなか素晴らしい。いい味だしてるな。
で、二人して声の主を探す。教授が考えたいろいろな質問にこたえる形でミステリじゃない、SFじゃない…などと詰めていく。その作業をしている一方国税庁の仕事で政治的な理由で税金を滞納しているたちの悪いパン屋の女性にあう。これがマギー・ギレンホール。ジェイクのお姉ちゃん。『恋する40days』でもいい味だしていた。なんというか美女ではないんだけどもなかなか魅力的。リアルなエロさが原因か、それとも映画の中でそういう風に扱われているから流されているだけなのか。ともかくいい。ということでハロルドも惚れてしまってさぁ大変。
地味の極限のような生活を送っていたハロルドの日常が彼女の登場(ナレーションもだけど)ででどーんとひっくり返る。語られている自分の物語が喜劇なのか悲劇なのか。
ま、いろいろあって件の小説家がカレン・アイフルだと判明。これを演じているのがエマ・トンプソン。これがいいんだ、また。病的な感じが面白い。たぶん本人もそうとう楽しんでいたに違いない。ヘビースモーカーで、土砂降りの雨の中でも吸うくらい。そんなたばこをティッシュにつばつけてそこに火をを押し付けて消す。そんな変態。
エマ・トンプソンとダスティン・ホフマン、ウィル・フェレルとマギー・ギレンホール。この4人がそろっていい味だしていて、なかなかの掘り出し物でございました。いい!