サテリコン 【Satyricon】

これを見た。




昨日挫折したので、本日見直した。


くはーっ。正直辛かった。中盤から終盤はそれなりに見られるようになったけど、序盤がとにかくつらかった。ま、中盤以降見られるようになったというのも、実は考えることを諦めたからであって、本当の意味でいえば見ていないのかもしれない。そんくらいつらかった。これは鈴木清順の『チゴイネルワイゼン』を超えている(『カルメン故郷に帰る』は別の意味で辛かった)。


フェデリコ・フェリーニというと例の『そして船は行く』と同じ監督だけどもこれまで見たことがあったのは『道』だけ。ジェルソミーナね。それも子供の頃に一度見ただけ。でもあれはもっと普通の映画だったけと思うんだけど。あとレンタル店にいっていつも気になりつつも手が出せないのもフェリーニの『8 1/2』だけど、この『サテリコン』見てさらに遠ざかった気がする。だって同じ臭いがするもんね、あのジャケット。


理解しようということを放棄したので、書けることはありません。ただ、映像について言えばかなり重い。明らかにそれとわかって使っている合成や巨大なセット(これはほんと凄い)に光と影。そして登場人物たちの顔、顔、顔。畸形と思われる役者も多数。両性具有の子供は本物かどうか知らないけれど、あのアルビノっぽい目や口には衝撃を受けた。とにかく悪夢のようなイメージで溢れかえっている。そういえば黒澤明も後年似た様な映像を撮っていたけど、大監督ってやつはこうなる運命なんだろうかね。歳?


濃い顔の洪水のような映像は『そして船は行く』を超えていると思う。正直、ひとに酔うというのか吐き気がした(人ごみの所為で吐きそうになることはあるけど、顔では初めて)。原因の一つには口の動きと声があっていないというのもあるだろうけど、吹き替え自体は珍しいことじゃないので大したことはない。しかしなんで合ってないんだろう。吹き替えしてるんだろうか。外国人で撮影してからイタリア語にしてるんだろうか。よくわからない。


途中、「ミノタウロス」が出てきたところだけ目が覚めました。あ、あと食い物。すげぇ。