戦争と平和 【War and Peace】
これを見た。
- 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
- 発売日: 2006/04/21
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原作は未読。映画も多分初めて。
長い。208分というから3時間半ほどか。そりゃ長いわ。しかし長い割りには一人ひとりの登場人物についてはあまり深くは描かれていない感じ。ともかく、いろんなエピソードを詰め込んだので仕方ないのかもしれない。3時間半でも足らないのかもしれない。ところどころ唐突な場面転換があったように思う。特に最後辺りはドタバタ駆け足もいいところ。
この映画でいちばん面白かったのはロシア領内のどこかで行なわれた会戦の様子。主人公のピエール(ヘンリー・フォンダ)が場違いな服装でよたよたと戦場をうろつく奇矯な様子はどう見てもギャグ。それが真面目に扱われていてどうも奇妙。貴族というものの凄さが現れているのか。それにしては兵隊たちのピエールにたいする態度は軽いしなぁ。
そうそう、会戦だった。フランス歩兵の大部隊が太鼓を最前列にしてトコトコ行進しながらロシア軍に迫る。あまりにも悠長な雰囲気なので、その圧倒的な兵員で押しつぶすのかと思いきやひきつけた後のロシア側の銃撃と砲弾でボロボロになってすぐさま退却するところが、どう見てもあほすぎる。あれは命令だから仕方なしに前進していたのだろうか。結構な犠牲が出てからでないと、指揮官に対して逃げ出してもしょうがないと思わせるだけの死体が出てからでないと、どんなバカな命令であっても逃げられない、ということを見せたかったのだろうか。よくわからん。それくらいマヌケだった。
ただ、そのお陰でナポレオンの打った次の手である騎兵突撃の甚大な効果がよくわかる。あの騎兵の大群がものすごい勢いで突撃する様子をカメラ自身併走しながら撮った画面は素晴らしい迫力があるし、実際の戦場であの勢いで突っ込まれたらさぞかし恐ろしいだろうと感じさせる。というか、ほんと危ないくらいの速度でロシア側の歩兵とすれ違うんだけど誰か事故で死んで居てもおかしくないもん、あれ。ということで、そのとき頭に浮かんだのは、武田の騎馬は戦国時代最強というけれど、いったいどれほどの威力があったのか、見られるものなら見てみたいというもので、どうも映画の雰囲気がダイナシになってしまった。面白かったけど。
いやぁ、やっぱり騎馬の疾走、それも大軍であるほど燃えるなぁ。騎兵ものの凄い映画を知っているひと、教えてくださいまし。