スパイダーマン3 【Spider-Man 3】

やっと見た。





いいじゃん黒いスパイダーマン。いや、黒いピーター・パーカーがいいのか。一旦絶好調になってそこからさらに行き過ぎて誰も付いてこれなくなって一人ぼっちショボーンという流れは容易に想像できるしその通りに展開するんだけど、絶好調の時のピーター格好よかったなぁ。惜しい。実に惜しい。良い時はいつだって短すぎるのね。



しかし、親友のハリーがかわいそうだなぁ。記憶喪失になって恨みを忘れていたときのあのスッキリした笑顔、灰汁のない表情がまさか死亡フラグだったとはなぁ。サム・ライミ、酷ぇ。ピーターもサンドマン片付けたらさっさと行けよと。執事の爺が哀れだった。


で、これが完結篇ということだけど、サンドマンの話は決着付いてないよね?ね?ね?宇宙からやってきたはずのあの黒いスーパーアクティブな粘菌がなぜ最初から“坊さんが屁をこいた(だるまさんがころんだ)”を身に付けていたのかは謎のままだし。屹度4が作られるはずだ。



で、映画全体でどうかというと。この映画って特に目新しいことはやってない。キャラもストーリーも構成もよくあるものだし。ちゃんと考えて作れば、よくある物だけで、出来合いの材料だけでいいものが作れるってことでしょうか。今回はピーターもMJもハリーもふらふらと揺れまくっていたけど、おばさんだけは変わらないので、いつだってあのおばさんに、そして記憶のなかのおじさんに会えば軌道修正ができるピーターはやっぱり幸せなんだろうな。コントラストがくっきりしていて分かりやすい。あ、まったくゆるぎない存在という点では新聞社の社長もおばさんといい勝負だけど。使えると思った瞬間エディを正社員に採用する反面、捏造だと分かった瞬間にもう首に。あれはかなりカッコいい。あとガキからカメラ買うシーンとかなんだかんだ言ってやっぱり肝の据わったど編集長なのだ。J.K.シモンズのヒゲ面がいい。


そうそう、ヒゲキャラといえばフランス料理のレストランのヒゲ親父。あれいいなぁ。と思ったらあれが噂のブルース・キャンベルなのね。友達なんだってね。こういうのもいいじゃんねサム・ライミ


お、このままではいかん。根が恥部、ちがったネガティブが足りないな。うーん。そうだ。ピーターのやさしいおばさん、人生の灯台のようなおばさん、完璧な存在。彼女が“復讐心は人のこころを蝕み、醜くする”と言ったとき、おーし、どこまでも蝕みやがれ!どこまでも醜くなってやるぜ!と一瞬思ったことをここに告白し、眠りにつきます。ちがう、筆をおきます。おやすみノシ