第五回講義 その三

今日は中身なし。とりあえず探した画像のリンク集。


顔というのは類的なものと個別性がせめぎ合う場所である。その典型として肖像画を取り上げる。

一人目 ブロンチーノ(Agnolo Bronzino : 1503-72)



マニエリスム(Mannierism)時代を代表する画家だそうです。


日本語ページでベストはここか。

ブロンズィーノ-エレオノーラ・ディ・トレドと息子の肖像-

拡大図も大きめ。


Web Gallery of Art このページの上から4つ目

『Eleonora of Toledo with her son Giovanni de' Medici』


その上に似たような名前のおばちゃんの肖像があるけど15年後の同一人物なんだろうか(こっちも真珠が凄い)。すごく老けてるけど。



色合いが全然違うけれどこちらもそこそこ綺麗な画像


布隆津諾(ブロンチーノ?)

『Eleonora of Toledo with her son Giovanni de' Medici』


この画では何を描いているのか?顔はあくまで無表情である。それは、天然の大きな真珠であり、金糸の縫い取りのある別珍(コーデュロイだってさ、べっちんて…)の浮き出しのある凄まじい衣装である。これは単に財産、資産、社会的地位の高さを見せるための画。

二人目 アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer : 1471-1528)



Web Gallery of Art このページの

拡大図(大きいけれど色がいまいち)


もう少し色のよいものではこれ


自画像

拡大図(ただし胸に小さな白い傷あり)


これも画家=素町人にしてはよい身形をしている。

三人目 ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck : 1599-1641)



これがわからなかった。襟の様子がプロテスタントだとかちらっと聞こえた気がするけど。


彼は、抑制されている(節度がある)けれども個別性を描こうとしている。


Richardot and his son とか

Malers Marten Pepyn とか


オマケ:これは別だけど

Portrait of Father Jean-Charles della Faille, S.J. 誰かに似ている。デヴィッド・モース

四人目 ゲインズボロー(Thomas Gainsborough : 1727-1788)



肖像画といえばこの人でしょうというほどであるらしい。


ものすげぇロマンチックな例(ダチョウの羽が凄い。よくファッションの本にでてくるという画)。


The Honorable Mrs. Graham


百姓にとっ捕まってぶっ殺されたということであったが、モデルが

Her portrait by Thomas Gainsborough was highly acclaimed when exhibited at the Royal Academy in 1777. The painting now hangs in the National Galleries of Scotland, Edinburgh.



↑この人であるなら、病気のために亡くなったみたい。

Mrs. Graham’s health began to decline, and on the recommendation of her medical adviser she went, in the spring of 1792, to the south of France, along with her husband and sister. Despite this course of action, she died on board ship, off the coast near Hye`res, on 26 June 1792.


ただ酷いのがこれ

Her sorrowing husband hired a barge to take the casket to Bordeaux but near Toulouse a group of French soldiers opened the coffin and molested the body.



やな気分になってしまいました。僕の英語はアレなのでアレですが、もしアレならばこの世間知らずのご夫人の名誉回復を!先生。



次。同じゲインズボローでこれも見た気がします。あまりいいのがなかったので検索結果だけ。

The Morning Walk


次。

五人目 アングル(Jean Auguste Dominique Ingres : 1780-1867)



肖像画も他の画もできの良い人であったという。


彼の作品で、前出のエレオノーラと同種の肖像であるという例。


Madame Paul-Sigisbert Moitessier

アングル(ここの拡大図もいい)


で、大蟻食先生仰るに。

現代では存在しなくなった種類の服、着ることを考えるとぞっとする、似合うっていわれても着ない。



という服でありますが、そのとき僕の脳裏に浮かんだのは

「いやいや、先生の足元にあるそのバッグ、模様似てるし。白地だったらそっくりだよアンタ(ちびまる子風に)」



というものでした。まぁ僕はデザイン音痴なので他の人が見ても似てないと思うかもしれませんが。


一見地味に見えるけれど、凄くセンスがよく実は高価なものをまとっているというのが彼女。


Madame Devaucy (1807)

Madame Devaucy, J.A.D. Ingres, 1807


Portrait of Madame Duvauçay(これがいちばんいい?)


エロイですねなかなか。冷たい目に酷薄な感じのする薄い唇。黒い服。うっはー。


んふっ、失礼。


黒い別珍にベッコウに金の縁取り、安くて2-300万したインド産のショール(刺繍いり)だそうです。べっちん好きだなぁ。


この次に出てきた、椅子に座り、半身を開くように、左腕だけを机においてこちらを見詰める青年の画がどうしても見つからなかった。机の上には布(ベルベット?)が置いてあり、その上には花びらが散っている。暗いところにトカゲが一匹いる。そんなやつ。


その次の教会に寄贈した画も見つからず。けちけち爺さんのやつ。


その次の装飾品が写真のような画も不明。

本命 同じくアングル



で、数ある肖像画の中で一、ニを争う傑作フランスの新聞王ベルタン氏。顔が歴史になった”というのを初めて目(画)にしたような。


さすが傑作というだけあって、いっぱいありました。その中でこれがいちばん綺麗で大きいかなと。


Ingres, Jean-Auguste-Dominiqueこのページの

拡大図

で、これを描いたアングル自身の顔がこちらのページ


写真(?)


で、自画像がこれ


Self-Portrait


ベルタンさんと同じくらい迫力あるな。


本日はここまで。力尽きました… orz