ブラッド・ダイヤモンド

これ見た。

ブラッド・ダイヤモンド [HD DVD]

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これはリー・リンチェイの『ブラック・ダイヤモンド』とはエライ違い(嫌いじゃない)。ひたすら真面目な社会派の映画だった。


基本的にはアフリカの紛争地域で体制派と反体制派の両方に武器を売りつけながら換わりにダイヤモンドや貴金属を買い入れ、それをどのように密輸してヨーロッパ・西側諸国で売り捌いていくのかという一連の流れや、少年兵がどのように生み出されて(洗脳されて)行くのかという点、そして巨大な難民キャンプの様子といったものがストーリーの中でバランスよくきちんと説明されている。


さらに、それを追いかけるジェニファー・コネリー(その他ジャーナリスト)も所詮物見遊山の軽薄な存在じゃないかと突っ込まれたり自己嫌悪に陥ったりしている。


でもなぁ、本当は社会派なのかどうかわからない。最後にはシエラ・レオネは平和になっただとかアフリカにはまだ20万の少年兵が居るよとか出るんだけどなぁ。反政府軍のゲリラというか民兵というかテロ集団(政府軍だって変わらないのかも)に村を襲われて家族と離れ離れになった男の名前がソロモン。投票できないようにと腕を斬りおとされる寸前に、ダイヤ鉱山の労働者として連れて行かれ、偶々巨大なピンクダイヤを見つける。そのダイヤの縁で密輸やってた元傭兵(悲しい哀しい過去があったりする。台詞の上だけだけど)のレオナルド・ディカプリオに絡め獲られ、そんでもってゲリラに誘拐され、洗脳されAK47をぶっ放すようになった医者志望(というか医者にしたかった)だったはずの息子を二人で一緒に助け出すという。


背景というか舞台となっている紛争地域と原油・貴金属・ダイヤモンドといった資源のお話はちゃんと描かれているんだけど、じゃこの映画の主人公はというと、もう奇跡中の奇跡のような展開。まず生き延びたこと、そしてあのダイヤ、そしてあの空爆のなかでちゃんと息子を救出できたこと、そしてロンドン。全て凄い確率のお話なんだけど、見ている最中には気付かなかった。でもな。


ソロモン&巨大なピンクダイヤ&大冒険&美女とくれば当然、

キング・ソロモン [DVD]

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これなわけですよ。やっぱり大冒険がメインじゃないのかと。だってね、結構鍛え上げられたように見えるレオナルド・ディカプリオが、それなりにちゃっちゃかと凄腕の傭兵らしく動くのですよ。地味なんだけどこれがいいんだ。ヘリの空爆だってたった一機なんだけど凄い火薬。どかーんと。そんでもって最後にイリジウムだっけ?衛星電話でヨーロッパに居る美女ジェニファーと最期の会話をするんですよ。この、なんというのか、男のロマンですよお父さん。真面目な話がうまーく配置されているからあんまり目立たないけれど、これはマッチョなカッコいいレオ様を見るための映画じゃないのかと思いました。ろくでなしの父親も殺したしね。


面白うございました。