N.Y.式ハッピーセラピー【Anger Management】

前回はこいつが見つからなくて『アメリカンスプレンダー』を見たんだけど、見つけた。




ジャック・ニコルソンvsアダム・サンドラーのジャケット写真からして面白そうだと思ったので、そのうち借りてみようとずっと思っていた。


これは『アナライズ・ミー [DVD]
』と『アナライズ・ユー [DVD]
』(これはジャケットの写真まで似ている)に並んで置いてあったので、てっきり横暴・傲慢・傍若無人ジャック・ニコルソンが患者で、気弱なアダム君が気弱な精神科医をやってると想像していたんだけど(これで僕がどんだけ想像力がないかお分かりでしょう)、実際は逆で、ジャックが精神科医でアダム君が患者だった。まぁ、横暴なジャックと気弱なアダム君というのはそのまんまだったけど。


ある日、出張で飛行機にのったアダム君が本来自分が座るべき席に勝手に座った横暴な男がいたために、偶々空いていた席に座ったら隣がジャック・ニコルソン。コメディを見ながら凄い勢いで大声で笑うジャックに困った寝不足のアダム君は抗議することもなく、気弱なところを突かれて一緒に見る羽目になったけども、何時までたっても頼んだヘッドセットがこない。なぜ来ないかというと頼んだ乗務員が同僚と立ち話しているからで、話に飽きたのかそのうちアダム君の方へ来たのはいいけどヘッドセットを持っていないばかりかそのまま通りすぎようとしたので、アダム君が乗務員の腕に人差し指を当ててちょっと待って、頼んだヘッドセットは?と極めて静かに、優しく訊ねたところ、逆に、冷静になってくださいと連呼する乗務員。そのうち偶々乗り合わせた大男の警官までやってきて冷静になれと叫ぶもんだから、流石に気弱なアダム君も俺は冷静だ!と叫び返したので、警官にスタンガンで気絶させられる。


結局、人差し指で軽く突いただけなのに、アダム君は乗務員に暴行を働いた。ということになって逮捕され裁判にかけられる。裁判所では乗務員が腕を吊っており、付いた弁護士は無能の極み、裁判官は最初から結論ありき、といった感じで話が進められ、出た判決は怒りを制御するセラピーを受けろというもの。


この医師が実はあの隣の席にいた傍若無人ジャック・ニコルソンで…ということで話が進みます。まぁ、ジャック・ニコルソンの物凄い笑顔が出てくるだけで笑ってしまうんだけども、どうも話の展開に無理がある。それもそのはずで実は○○という理由があるんだけども、それを考慮したって無茶。さらに、それぞれ個別のシーンは悪くないのにも関わらず全体のバランスというか、間が悪い。間延びしている。というわけで多分脚本がダメ。編集?


まぁ、僕が始めてアダム・サンドラーを意識したのが『パンチドランク・ラブ』だったので、そのうちブチギレることを期待していたのに、最後まであのような切れ方をしなかったというのも肩透かしを食った感じで。


とはいえ。とはいえ。ジャック・ニコルソンアダム・サンドラーも演技は良いし、ヒロインのマリサ・トメイがなかなかかわいいのでいいのだ。ジョン・マッケンローヤンキースの選手にジュリアーニ市長(下手すぎ)まで出てきたのは要らない気もするけど。もうちょっと脚本がしっかりしていれば傑作になったのにな。あと、January・Jonesが『ラブ・アクチュアリー [DVD]
』で出ていたときとそっくりな、つまりとても綺麗なビッチだったのでついにやけてしまった嬉しかった。ええなぁJJは。