プルーフ・オブ・マイ・ライフ

なんとなく、ジャケ借りした。




原題は『Proof』で、こっちのほうがいい(邦題も意味は分かるけど、似たのが多いしね)。Proof=証明がポイントになるんだけども、“数学の難題を証明した人が誰であるかを証明する”という2重の証明。


深夜の暗闇の部屋で不安定な青白いTV画面の光に照らされるグウィネス・パルトロウの顔から始まる。この表情が全て。グウィネス・パルトロウをキャスティングしたのが成功。グウィネスの神経質な感じがとても自然で、見ているほうは、彼女が病んでいるようないないような、どっちなんだろうなという境界線上をふら付くことになる。音楽もあるけど。


で、この神経質な娘キャサリンの父親が、偉大だった数学者ロバート=アンソニー・ホプキンスで、このおっちゃんはどんな役をやっても、なんというか過剰なエネルギーが出ていて、静かな役は出来ないんじゃないかと思った。で、この教授の弟子で、キャサリンに惚れているのが能天気な感じのハル=ジェイク・ギレンホール


神経質躁気味なキチガイ能天気が綺麗な二等辺三角形を作っていて、物凄くとんがっているので不安を感じるけれど、実は安定しています(うそつきました。数学っぽくしたかったのです。ところでなぜ嘘は言うではなく、吐くなのでしょうか。気になります)。


キャサリンが嘘を吐いているのかいないのか、彼女が壊れてしまうのか乗り切れるのか、ハルとうまく行くのか分かれるのか、数学の証明が成功するのかどうか、アンソニー・ホプキンスは本物のアレなんじゃないだろうか、など、いろいろとドキドキさせられます。


正直に申しあげまして同じキチガイ数学者ものであるラッセル・クロウ主演『ビューティフル・マインド』と同じ天才数学者ものであるマット・デイモン主演『グッド・ウィル・ハンティング』を足して1で割ったような感じで、とても気に入りました。


グウィネスは『恋におちたシェイクスピア』(同じ監督じゃん!ジョン・マッデン)でも良かったのですが、この神経質でピリピリした青白いグウィネスの方が良かった。結婚してください。Marry me ! P, Please.