貧乏が身に沁みる

なんとなく、パッケージの写真の雰囲気とトニ・コレットが出ているということで見た。



な、まっ黄色。『リトル・ミス・サンシャイン』というのは7才までの少女対象のミスコンのタイトル。


アルバカーキ在住の、ほんのちょっと小太りで、これまたほんのちょっとすきっ歯のメガネ少女オリーブがいとこの影響でミスコンに挑戦、地区大会で1位の子がドーピングで失格となったために2位だったオリーブがロサンゼルスの本大会に進むことになって大喜びしたんだけども、自己啓発系のセミナーを生業としているおとうちゃんが自分の開発した“成功するための9ステップメソッド”の出版話のためにお金を使った結果、飛行機で行くことができず、ヘロイン中毒で老人ホームをおんだされた爺ちゃんと自殺未遂で妹=オリーブのおかあちゃんちに引き取られたゲイで自称全米No.1のプルースト研究者の伯父さんと空軍のパイロットになるという目標を達成するまでは一切口を利かないと固く近い、実際9ヶ月誰とも話さず、一言も発していない兄ちゃんも引きつれ、一家6人車で移動することになったお話。


まぁまぁ。黄色いワーゲンバスがぼろく、途中ギアが壊れたけども部品がないということで、一家で車を押しながらお父ちゃんがエンジンを掛けいきなり3速からスタートし、走り出した車に次々に飛び乗るというスタイルで旅がつづく。これがね、面白いんだけどかなしい。貧乏ってやだ。


ロードムービーというんだろうか、旅をしながら崩壊寸前だった一家の問題がちょっとずつ解決していってハッピーエンド。を期待したんだけど、どうも違うなぁ。なんというか、結局のところ問題は減ってない。爺さんが片付いたくらいだ(振り付けはグッジョブだたな爺さん)。


途中、色盲(なんてこった、“しきもう”“めしい”も変換できん!)であることがわかり、パイロットの夢破れた兄ちゃんが声を上げて泣くところは良かった。ん。見るからに気持ち悪い、えーっと誰だっけ、そうそうアンガールズ(ん?消えた?)みたいな兄ちゃんがとても良かった。


やりすぎ感たっぷりの子供のミスコンとか、自己啓発セミナーとか、ゲイとか、設定にはアメリカっぽさがたっぷりなんだけど、どうも日本の映画のような雰囲気があるんだな。同じような映画を日本人の役者で日本を舞台に撮ったものが容易に想像できる。なんつーか、学芸会というか、素人くささというか、自主制作のような、つまり、ヘタクソさを感じる。


役者は悪くないんだけどな、なにがおかしいんだろう。