うっひゃー!久しぶりに本を読み通した。こんなんで5月生き残れるんだろうかね。


読んだのはこれ。

イカロスの飛行 (ちくま文庫)

イカロスの飛行 (ちくま文庫)



いやぁ、コイツにたっぷり2ヶ月掛かっちまった。しかも実は数日前に読み終わっていたということに今日気がついた。


どういうことかというと、今日帰りの電車で、はて、次はどうなるのやらとページをめくると、そこは文庫版あとがきのページだったと。


ちょwwwwと言うほかない。ワロタ。


まぁ、だがしかし。面白かったよ。『地下鉄のザジ』よりずーっと面白かった。ところどころ訳が変だと思ったんだけども、レーモン・クノーのことであるからして、原文がオカシイのかも知れんということでスルーした。


お話の内容はといえば、19世紀末のパリ(アプサントと自転車と自動車とあやしい芸術家ども)を舞台に、書きかけの小説から逃げ出した登場人物を小説家たちが追いかけてドタバタというもの。うはぁ。


どっかで聞いたようなというかそれ筒井康隆じゃんとか思っていたら、クノーがこれを書く(Le Vol d'Icare, 1968年)ずっと前、イタリアのピランデルロの戯曲『作者を探す六人の登場人物』(Sei Personaggi in cerca d'autore, 1921年)という元ネタがあるらしい。クノーはそれを裏返したと。なので、真っ白だった世界からスタートして登場人物が少しずつ現われて行くという筒井大先生の『虚人たち』(1979年連載開始)は実はこの系譜の3番目の作品になるんでしょう。先行作品を知りませんでした(それなんてヒラノ?pgr)ということはなく、筒井先生は当然これらを踏まえたうえであれを書かれたと。もちろんこれはパクリです。パロディ作品のパロディです。クノーも筒井もすばらしいパクリです(いや、前から思っていたけど、筒井とクノーってアレだよねぇ)。


なんでこれがわからんかなぁ。ちゃんと嫁ば書いてあるのにな、乱視だろそこのおまえ!


と、話が変なほうへ飛んでしまった。ふひひ。いや、もうちっと一気に読んだほうが運動について体感できただろうに俺のバカバカバカ!ということですが、4人の小説家が決闘する24章には痺れました。とても短い章ですが、流れが一気に変わる。他にも色々と効果的な短い章がありましたな(忘れた…)。


もっかい読むかなぁ。


ところでこれ、図書館で借りた(延滞2ヶ月なのに文句言われないってどうですか)本なんだけども1991年の文庫版の初版で、しかもその当時の紙のしおり(小さなうつわに大きな夢 ちくま文庫)がそのまま挟まっていた。奇跡。