久しぶりに本。

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

帯うぜー。


主人公の半生が1ページか2ページで描き切られておった。俺なんて半ページもいらんなぁ。


全体的に静かな調子。その分、ちょっとした出来事が読む人をわさわささせる。雷の場面とか。


なんといえばいいのかよくわかんないまま書くけど、読んでいる自分がいろいろと予想(予測か)するわけなんだけど、それがどうもこれまで散々刷り込まれてきた安っぽいTVドラマみたいな展開だったりして自分のことが嫌嫌嫌もうわし嫌己流だもんねという状態になってしまった(ちょっとだけよ)。


でも、その予測って多分あながち間違っているわけではないんじゃないかと思ったりする。小川洋子さんはある程度そういう安っぽい予測が働くことをネラッテいたんじゃなかろうかと。それともほんとにくだらない刷り込みがない状態(戻ることは出来ないので思考実験ね)で読んでも、あのわさわさとした胸騒ぎは起こるんだろうか。


空気が入れ替わらないような、埃が積もっているような、そういう空間が好きなんだろうかね洋子さんは。そこにはかつて存在したひとの何気ないの気持ちとかも積もってそう。そんな気がした。ま、ちょちょいと読んだけど悪くなかった。


音とか色とかなんか仕掛けでもあるんかな。と勘繰るほど静かなお話。